資格者が命令権を持つ世界

病院といわれる業界は一般の民間企業と違い、国が認める資格者や各都道府県の試験などで合格した人たちが集まり医療業務を行っているのだ。事務室で働く女性も、履歴書を見れば資格の一つや二つが記載されている。つまり、患者といわれるお客を向かえて、人の命をあずかるわけで個人的な判断よりも、国や行政機関が認めた内容に応じて業務が遂行されているのである。看護師も制服を着ておれば、みな同じと思いがちだが実は正看と准看に分かれており、それぞれ役割分担があるのだ。それに違反をすると資格を失うことにもなるのだ。
更に、女性同士の職場となるため、特有の感情的な人間関係が日々発生している。組織というものは上下関係があり、業務を行うために上司は部下に指示・命令を出すことで仕事が行われている。これは民間企業も同じだが、女性同士の集合体なので難しいところがある。
ナースステーションには、多くの看護師が勤めているが、多くの患者に対し婦長を中心に業務を行っている。ところが人に命令権があるわけではなく、資格が命令権を持つため、言葉一つで人間関係がギクシャクしてくるのだ。例えば、年上で熟練の准看護師であっても、今日入社したばかりの一回りも年下の正看護師が主導権を持つことがあるのだ。年輩者に配慮するような人格者であれば良いのだが、有名な看護学校を卒業しておれば鼻にかける人もいる。また、24時間・365日の業務を回していくため、部下の出勤でシフト制を考える時などでも、偏ったシフトでイジメが起きることもある。